木谷ドクターブログ

2023/03/9

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紫外線は1年中

冬は日焼けして黒くなることはありませんね。だから、紫外線対策は必要ない?

冬には冬の対策が必要です。冬の紫外線対策しないとお肌の劣化(老化)が早まります。

 

紫外線はUV-A、UV-B、UV-Cの3つあります。UV-Cはオゾン層のおかげで地表に届くことはないのであまり考えなくていいです。

 

有害なUV-B

夏に日焼けして赤くなったり皮がむけたりする主な紫外線、それがUV-Bです。日焼けした後はメラニン色素と呼ばれるシミのもとをたくさん作ってしまいます。人体に有害で皮膚ガンの原因にもなります。UV-Bはすぐに日焼けさせたり、皮膚がんのもとになるのでかなり強いかというとそうでもないんです。地表に降り注ぐ紫外線の10%の量しかなく、さらにUV-Bは皮膚の浅い部分(表皮)までしか届きません。

 

無害だったUV-A、実は有害です

UV-Bのようにすぐに日焼けすることはないし、皮膚がんの報告もなかったので無害とされていた時期もあります。しかし、地表に降り注ぐ紫外線の90%がUV-Aで、UV-Bとは違い皮膚の深層(真皮)まで届き、直接破壊します。UV-Aによるダメージは蓄積し、老化に関係するシワやたるみの原因となります。さらに、近年、皮膚がんの発生原因となることが報告されました。日焼けマシーンはUV-Aによって日焼けを起こすため、発がん性の観点から日焼けマシーンの使用に注意喚起が出されています。

 

部屋の中にいるから大丈夫!マスクしているから大丈夫!は大丈夫じゃない

UV-Bは曇りだと弱まります。窓ガラスでも弱まります。マスクでも弱まります。UV-Bはいろいろなものを通り抜けるのが苦手なんです。紫外線予防効果がないただの布でもUV-Bはけっこう弱まります。しかし、UV-Aは通り抜けるのが得意なんです。UV-Bは曇りの日に50%まで減っていたがUV-Aは75%だったという気象観測のデータがありました。曇りだから、室内にいるからと侮れないのがUV-Aなんです。

 

 

UV-Bは夏に比べ冬は1/5程度まで減るのに対し、UV-Aは夏に比べ冬は1/2程度と変動量が少ないため、冬は主にUV-Aを防ぐ紫外線ケアが必要です。

SPF:UV-Bに対する防御効果(2~50の数値で表す、さらに強いものは50+)

PA:UV-Aに対する防御効果(4段階:+、++、+++、++++)

 

防御効果は高いものは肌への刺激も強くなってしまいます。夏はしっかり強いものを使った方が良いですが、そのほかの季節では強いものは使わない方が良いです。紫外線が少ない冬はPA++SPF20程度で十分な方が多いでしょう。もちろん部屋の中で過ごす、一日中外で過ごすなど状況に合わせて使い分ける方が良いです。

 

 

 

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