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2023/02/1
# コラム
みなさん、こんにちは。
ルネッサンス美容外科総院長の曾我部です。今回から定期的!?(一ヶ月に一回、いや二ヶ月に一回…いややっぱ不定期にしようかな…)にブログを更新していこうと思います。もともと承認欲求とかは全く無いタイプの人間なので、「受け」や「映え」には一切無縁に、僕が日々の仕事の中で感じたことを率直に記す場所にしていきたいです。
まあ、たまには僕の趣味の記事を書いたりすることもあれば、単なる備忘録になることもあるかとは思いますが…。
さて、今回はこのブログを始めるきっかけになった「眼瞼下垂(がんけんかすい)商法」についてです。この「眼瞼下垂商法」については、僕が記事を書くことで騙されずに救われる人が一人でも居たら幸いです。
当院は皆様もご存知かと思いますが、特に目元の相談が多いのです。
この10年くらいでしょうか、受診される方のほぼ全員が「私って眼瞼下垂ですか」あるいは「他院に相談に行ったら私の目、眼瞼下垂だから手術をした方がいいって言われたんです」とかっていうことを聞かされるんですよ。
もう僕はこの時点で相当うんざりしてます。もちろん当院に来院された賢明なお客様に対してうんざりしてるんじゃないですよ。恥ずかしげもなく医師のモラルもなく「眼瞼下垂商法」をしているゴミ美容外科医&屑形成外科医に対してですよ、ほんと忌々しい!!
まずは「眼瞼下垂商法」を知って頂かないといけませんね。
わかりやすく言うと、「眼瞼下垂ではないのに眼瞼下垂という偽りの診断のもとに、不要な手術を受けさせる商法」ってことです。
美容外科や眼科や形成外科に目元等の相談に行くと「あなたは眼瞼下垂です」といきなり聞いたことのない病名を告げられることから始まります。「目を開ける時に、眉毛が上がって額にしわができているので、これは眼瞼下垂の典型的な症状なのであなたは眼瞼下垂です」「黒目にまぶたが少し被さっているので眼瞼下垂です」「左目の方が右目に比べて目の開きが少し悪いので左目は眼瞼下垂です」などという、僕からすると無茶苦茶な診断理由なのですが、「このまま放置すると目が開かなくなる」などと心理的に不安を煽って眼瞼下垂の手術を受けさせる方向に話を進めるのです。
ただ、そもそも「眼瞼下垂」という病状について全くと言っていいほど理解がないまま「言われるがままに手術を受けてしまう」のもよくないのですが….。当院に来られる賢明な方たちはちゃんとセカンドオピニオンを当院に求めているわけで、この時点で「まったく眼瞼下垂」ではないことを知るのです。そのことを告げた時のお客様の喜びと安堵は正直半端ないです。いやはや「眼瞼下垂」というのがどんだけ怖い病気と認識させられてたのかって呆れてしまいます。
眼瞼下垂とは、まぶたを持ち上げる筋肉やその延長上にある腱膜の異常により「目が開きにくい」状態のことです。黒目にまぶたが少し被ることなんて全く眼瞼下垂ではありませんからね。むしろ黒目が全部見えてる方が「ビックリ目」でおかしいでしょ、そう思いませんか??
もっとわかりやすく言えば「眼瞼下垂」は、「目が開いてない」状態のことなんです。まぶたに力を入れない状態で黒目の直径の80%が見えていれば十分正常です。
50歳以降の人で上まぶたの皮膚のたるみによって視界が妨げられている状態は、被ってきた皮膚により一部視界が妨げられている「上瞼皮膚弛緩」というまぶたの皮膚の問題で、筋肉や腱膜異常が原因の「眼瞼下垂」とは全く関係のない状態です。この「上瞼皮膚弛緩」を「眼瞼下垂」と混同している人が非常に多いこと自体問題です。
僕は、瞳孔付近(黒目じゃなくて黒目の中心部の瞳孔だよ)までしかまぶたが持ち上がらず、視界を確保するためにミューラー筋や前頭筋に負担がかかることによって肩こりや頭痛等の随伴症状が強い場合にのみ「積極的な眼瞼下垂の手術適応」と考えています。ただ、肩こりや頭痛の原因が必ずしも眼瞼下垂とは限らず他の要因の可能性もあるので、手術をしたからといって必ずしもそれらの諸症状が改善するとは言えないということもご理解頂かなくてはいけません。
昨今当院に目元の相談の方々ほとんどが、上述のように過去に他院で「眼瞼下垂」の指摘を受けています。日本の女性はみんな眼瞼下垂なんでしょうか?? もはや日本の女性の国民病ってことなんでしょうかね。いやいやそんなことがあるわけないに決まってるじゃないですか。
そもそも、左右の目の開き方なんて多少の左右差があるのなんて当たり前の話です。それに対して、「目の開きが悪い側の目は眼瞼下垂」と診断する医師ってどうなんでしょうかね。ほんとにそう思って診断しているのであれば、単なるヤブ医者なわけですが、まあほとんどが手術による利益を上げるための確信犯的理由によるものだと考えます。
たとえ「真の眼瞼下垂」であったとしても、軽度だったり、眼瞼下垂の「自覚できる明確」な随伴症状(頭痛や肩こり)がなければ経過観察で十分なのです。放置したとしても決して生命が脅かされる類のものではないのです。それを「早く処置をしましょう、健康保険も適用できますから」と言われて考える時間も与えられず手術を受けざるを得ない状況に追い込まれるわけです。
当院に二重まぶたの相談に来られる比較的若年層で、既往歴で他院で既に眼瞼下垂の手術を受けてしまっているケースが異常なくらい増えてきたのはこの数年でしょうか。僕はそういった方々に問診時に眼瞼下垂手術になった経緯を詳細に聞くようにしてます。当院に来られる若い方のそんなにみんながみんな眼瞼下垂だったとは考えにくいからです。
驚くことに、そのほとんどの人たちは眼瞼下垂を「皮膚のたるみ」のことと誤解していたり、「黒目に少しでもまぶたが掛かると眼瞼下垂」というように「眼瞼下垂」のことを全くと言って良いほど正確に理解していないことがわかりました。「眼瞼下垂と言われたからよくわからないが勧められたので手術を受けた」というケースもかなり多いです。
二重切開法の相談に行くと「あなたは眼瞼下垂なので二重切開法だけでは綺麗な二重にならない。眼瞼下垂の手術も同時に行わなければいけないので追加料金30万円必要です。」 こんな具合に手術費用が「偽りの理由」で釣り上げられケースが多いようです。およそこういった悪質なことをする医院は手術技術も「悪質」なほどに下手なことが多いのでくれぐれもご要心を。
このブログを読んでくれている方でもし他院で「あなたは眼瞼下垂です」と言われたことがあるがまだ手術を受けるかどうか悩んでいる方は、先ずはセカンドオピニオンでルネッサンス美容外科にご相談ください。無意味な治療を受ける必要はありません。
そう、きっとあなたは眼瞼下垂ではないのですから。
当院は医療広告ガイドラインを遵守し、
医師監修のもと掲載しております。